内向型警備員の読書ブログ

いろんな本に助けられてきました

自分に適した仕事がない

富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる現代社会。

拡大する賃金格差は、能力でも労働時間でもなく、ただ単に「入社した企業の差」だ。

こんな世の中で、仕事にやる気なんて出なくてあたりまえ。でも働かなくては生きていけない。

この厳しい現実のなかで「仕事」をどうとらえるか?

そんな思いから、この本を読んでみた。

儲からないけど必要な仕事

”「駕籠に乗るひと、担ぐひと、そのまた草鞋をつくるひと」という言葉があるように、様々な人が役割を分担することで世の中は成り立っている。そこに上下はない。それぞれが自分の役割を全うすることが尊い。”

いまの世の中は、駕籠に乗るひとだけがもてはやされて、ほかのひとが省みられることがほとんどない。そのうえ金を稼ぐのが得意でないひとは「負け組」とされ、社会的な敗者とみなされる。

だけど世の中には、「お金は儲からないけれども大切な仕事」がたくさんある。

古臭い考え方かもしれないが、自分が汗を流した分、まわりのひとが楽になったり、喜んだりする。その対価として所得がある。それが本来の仕事の在り方だと思いたい。

花は裏通りに咲く

”「人の行く、裏に道あり、花の山」”

元々は相場の格言らしいが、この言葉は仕事選びにも同じことがいえる。

業務内容が地味とか、身体が汚れるとか、体力を使うとかの理由で人が集まらない業種や会社は多いが、そういう企業は往々にして市場の占有率が高く、ライバルが少ないせいで経営が安定している場合がある。

特に自分が現在勤めている警備業界もその傾向が強いように思う。

自分も最初は、親の介護との兼ね合いで仕方なく警備会社に契約社員として入社したが、実際に働いてみると色々なな仕事があり、様々な業種の人達とも話ができたりしてすごく面白い。

確かに現場の給料は決して高いとは言えないが、資格を取って管理職や営業の仕事をしてみるのも悪くないと思う。

今の自分には、年齢的な事や、親の介護の都合があるので現場で働くしか道は無いが、もし若い頃に戻れるのであれば、新卒で就職してみてもよいと思える業界だ。

仕事を探すときには、世間一般のイメージに縛られずに、本当に自分がしたいことや、したくないことを考えて会社を選んだほうがいい。

自分なりの哲学を持つ

”誰の意見であっても鵜呑みにせず、自分の頭で考える。それが、これからの時代を生きていくうえで、一番必要なことだと思います。”

自分の人生を振り返ってみて、今が一番、自分でものを考えている。

進学、就職、転職と、とりあえず目の前にある物に飛びついて生きてきた。

全てが失敗だったとは思わないが、もっと自分の適性や素質を考えながら、学校なり仕事なりを選ぶべきだったと、少しだけ後悔している。

今の世の中はインターネットやSNSなどに膨大な情報があふれていて、会社の口コミや業界の暴露話など、事前に何でも知ることができる。

しかしながら、どんな会社や業界にしても、実際に自分で体験してみなければ本当のところは分からない。

そこで大切なのは、自分なりの哲学を持つこと。

もしくは哲学なんて大それたことではなくても、「これだけは絶対に嫌だ」とか「このことに関しては譲れない」などの、自分軸に沿った考え方が必要だ。

自分自身もこれからどう生きてどう死ぬか、今まで何も考えて来なかった分を取り戻すつもりで、色々頑張っていきたい。