「仕事がキツイ、給料が安い、女にモテない、世知辛いいまの時代を戦う人生指南本」
表紙に書かれた文言とタイトル、そしてあの武論尊先生が書かれた人生論(しかも表紙がジャギ)ということで、中身を確認することなく、即買いしました。
著者の武論尊さんといえば、いわずとしれた「北斗の拳」の原作者、他にも「ドーベルマン刑事」「サンクチュアリ」「Dr.クマひげ」など数々の漫画原作を手掛けており、私のようなアラフィフの中年男にとっては、まさにカリスマ的な存在でした。
そんな武論尊先生の男くさい人生論から、「下流の意地で上流を喰ってみろ」の項を紹介したいと思います。
”たぶん、上流に行こうと思うから負けるんだよ。下流なら下流の意地で下流で生きてみろって。下流の生き方だってカッコイイと思うぞ。”
”意地があるから、そこらへんのヤツには負けないだろうし、いずれ下流から這い上がって、上流を喰ってしまえばいいんだよ。”
”自分より圧倒的に強いヤツと戦うためには何かを持たなければいけない。それが意地なんだよ。憎悪でも嫉妬でもいいから、持っていれば戦っていける。それがオレらの一番カッコいい生き方じゃないかな。”
人間の生き方に下流も上流もない。
本来そうあるべきだと思いますし、そういう社会であってほしいです。
しかし現実は平等でもなく、公平でもありません。
歴然と存在する格差のなかで、戦わなければ格差に埋没していきます。
そんな中で武論尊さんは、格差にもがく男たちの生きざまを描いてきたそうです。
自分が「北斗の拳」や「サンクチュアリ」を読んでいた時には意識していませんでしたが、今思えば、苦しみ、もがきながらも戦っている主人公たちのそんな強さに憧れていたのかもしれません。
そんな熱い男たちの名言がいっぱいの本ですが、最後にもうひとつだけ。
”俺たちは失うものは何もない。当然だ。最初から何も持たされてはいないから。上がるしかない。これは下流の特権なのだ。たとえ、それが一瞬の煌めきでも・・・”
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