内向型警備員の読書ブログ

いろんな本に助けられてきました

ダメな人のための名言

 

コラムニストの唐沢俊一さんが集めたキレイごとではない名言集の中から、ある聖職者の名言。

”生まれることは不幸であり、生きることは苦痛であり、そして死ぬことは厄介である。”

そして、これを受けての唐沢さんの言葉。

”現代は、人生を光り輝く素晴らしいものと思え思えと世間は強要する。

しかし、そう思える人間などはほんのひと握りだ。

実際は、まわりからバラ色のものと教わったイメージと実際の落差に愕然とし、こんなはずではなかったと後悔ばかりして過ごす。”

”楽観論者は失望しか味わえないが、悲観論者は「意外な幸運」を拾うことができる。”

全てをテレビのせいにするのもどうかとは思うが、物心ついた頃からテレビを見て育った自分のような人間は、「失望する楽観論者」になってしまうのも仕方がない。

自分は現在52歳、高度経済成長期の末期に生まれ、学生時代を過ごした。

テレビをつけると、ドラマやCMでは、今でいうリア充の人達が人生を謳歌しているようなシーンばかり。

それがマスコミの創り上げた虚像だとは夢にも思わなかった。

そして大学3年生の頃にバブルが崩壊。

就職氷河期が始まり、自分自身の無能さを、いやでも思い知らされることになる。

何とか就職できたものの、5年くらい働いた頃に会社が傾き、給料が激減し退職。

その後何度か転職を繰り返し今に至るが、未だに独身の契約社員で、親の介護と仕事だけの毎日。

学生時代に思い描いていた理想の生活が、何ひとつ実現出来ておらず、恐らくこの先も実現不可能だろう。

と、愚痴っぽくなってしまったが、上記の言葉を前提として考えてみると、それでも何とか生活できているだけ、自分は幸運なのではないかと思う。

インターネットやSNSを見ていると、本当に色々なひとが、様々な幸不幸を背負って生きているのを知ることができる。

自分と似た境遇の人はもちろん、普通にみれば何の不満もない人生をおくっているようにみえても、他人にはわからない悩みを抱えながら生きている人もいる。

「自分が世界で一番つらい」と絶望しないためにも、ネットやSNSは有効なツールだ。

失望しか味わえない楽観論者よりも、小さな幸せを喜べる悲観論者でありたい。